コートリルを適量に調整したことで、自発コルチゾールが戻ってきた話
私の経験がどなたかの助けになればと思い、投稿させていただきます。
私は元々偶然見つかったラトケ嚢胞があり、年に一度MRIを受けて経過観察をしていました。
幸いなことに大きな変化もなく、経過としては順調そのものでした。
私が副腎皮質機能低下症の診断を受けたのは、2020年3月末のことです。
その年の2月頃から体調不良が始まり、さまざまな病院を受診したものの原因は分からないままでした。
そんな中、夫からの「ラトケ嚢胞は関係ないのか?」という言葉をきっかけに、経過観察でお世話になっていた脳神経外科を受診したところ、副腎皮質機能低下症と判明しました。
ただ、この時は負荷試験などは行わず、安静時の採血結果のみによる診断だったのです。
脳神経外科の主治医からは、
「これを飲めば前と同じように生活できるから!」
と言われ、その言葉にすっかり安心した私は、朝にコートリル1錠の服用を開始しました。
当時の検査結果は、ACTH 6.1 pg/mL、コルチゾール 12.2 μg/dLという数値です。
ACTHは確かに低めでしたが、コルチゾールはまだ自力で出ていました。
今振り返るとコートリル1錠という量は、この時の私にとって過剰だったのかもしれません。
コートリルを飲み始めて3か月ほど経った頃、今度は尿崩症の症状が出始め、ミニリンメルトも服用することになりました。
その後、朝の1錠だけでは仕事の時などに足りなくなり、朝2錠へと増量。
それでも不調が続いたため、仕事の日は朝3錠に加えて夕方頃に追加で1錠、休みの日は朝2錠で辛ければ追加、という指示を主治医から受けました。
私はその言葉を信じ、指示通りに飲み続けていたのです。
しかし、この頃の体調は倦怠感や低血糖のような症状など、どんどん悪化していく一方でした。
「先生はこれを飲めば今まで通りに生活できると言っていたのに、なぜこんなに辛いんだろう?」
次第にそう考えるようになりました。
そこで自分でもこの病気について調べ始め、同じ病気と闘う方のブログに巡り合いました。
そこから負荷試験の存在や、コートリルは分割して飲むことができるといった知識を得たのです。
そして何より、脳神経外科ではなく内分泌科で診てもらうべき病気なのだと初めて知りました。
さらに、指定難病の対象となる可能性や、「今のコートリルの量は多すぎるのでは?」という疑問にも行き着きました。
それからは自分なりにコートリルの量を微調整するようになりました。
ですが、主治医からの明確な指示がない中では自分の適正量が分からず、減らしすぎて体調を崩すこともあり、なかなか状態は安定しませんでした。
「このまま同じ主治医に診てもらっていても改善しないのではないか」と感じ、思い切って脳神経外科の主治医に内分泌科への紹介状を書いてもらいました。
2022年12月、ようやく内分泌科を初めて受診しました。
最初の診断から、約2年半が経過していました。
内分泌科で改めて負荷試験を行ったところ、この時にはACTHもコルチゾールも0で、測定不能という結果でした。
その後正式に難病認定を受け、内分泌科の主治医による服薬指示のもと、都度蓄尿検査で適正量を確認しながら、少しずつ減薬を進めていくことになりました。
すると、ACTHは少しずつ上昇し始め、2024年には70.9 pg/mLまで回復。
コルチゾールも2025年には1.9 μg/dLと自発分泌が戻り始め、2026年4月には10.2 μg/dLまで持ち直すことができました。
また、尿崩症についてもコートリルの量が適正になるにつれて改善し、今ではミニリンメルトを飲まずに過ごせています。
現在の主治医からは、「この数値が継続されれば、コートリルなしでも大丈夫なレベルかもしれない」と言っていただけるまでになりました。
ただ、朝はコルチゾールが出ていてもそれを一日維持することは難しく、今も毎日のコートリルは欠かせません。
これからも焦ることなく、自分のペースでゆっくりと減薬していくつもりです。
一度は失ってしまった自発コルチゾールの分泌を、ここまで回復させることができたのは本当に嬉しい変化でした。
一方で、「診断を受けた段階でしっかり調べ、もっと早く疑問を持って内分泌科につないでもらっていたら、コルチゾールの自発がゼロになることもなかったのかな……」と考えることもあります。
もちろん、実際にどうなっていたかは分かりません。
それでもこの経験を通して痛感したのは、医師にすべてを任せきりにするのではなく、患者自身も病気について多少の知識を持っておく大切さです。
「何かおかしい」「説明されていることと自分の体調が噛み合わない」と感じた時には、その違和感をうやむやにしないこと。
必要であれば別の診療科につないでもらったり、セカンドオピニオンを求めたりする姿勢も重要だと感じています。
私自身、何も分からない状態からのスタートでしたが、自分で調べて疑問を持ち、無事に内分泌科へ繋がることができました。
そして今、少しずつではありますが、自分の体で再びコルチゾールを作れるところまで来ることができました。
この体験が、同じように「診断はされたけれど、体調がなかなか安定しない」と悩んでいる方にとって、小さなきっかけとなれば幸いです。