予備能がある人は、コートリルをやめても突然クリーゼを起こして亡くなることがあるというのは本当ですか?
予備能がある人は普段の生活を送れてしまうため、本人が「治った」と思い込むことがある。そのまま経過すると、ある日突然クリーゼを起こし、診断されないまま亡くなるケースもあるという話を見かけました。このような説明は、現在の副腎皮質機能低下症の考え方として正しいのでしょうか?
予備能がある人は普段の生活を送れてしまうため、本人が「治った」と思い込むことがある。そのまま経過すると、ある日突然クリーゼを起こし、診断されないまま亡くなるケースもあるという話を見かけました。このような説明は、現在の副腎皮質機能低下症の考え方として正しいのでしょうか?
実体験をもとにした個人の意見です
さまざまな考え方のひとつとしてご覧ください
思ったことや気づいたことなど
気軽に共有してください
副腎皮質機能低下症は、「正常」と「完全な機能不全」の二択ではなく、実際にはグラデーションがあります。下垂体や視床下部の機能が少し低下していても、平常時に必要な量のACTHやコルチゾールを分泌できる人もいます。
一方で、感染症や発熱、手術などの強いストレスが加わると、追加のホルモン分泌が十分にできず、症状が出ることがあります。
このような状態について、日本内分泌学会の資料でも、「軽度のACTH分泌低下症では、普段のストレスのない状態では恒常性を維持できるため、症状や徴候を認めないことがある」と説明されています。
https://adrenal-insufficiency.com/wp-content/uploads/2026/03/image.png
「感染や発熱などのストレスに応じたACTHの追加分泌ができないため、副腎クリーゼを起こす可能性がある」とも記載されています。
この記述は、「予備能が残っている人は、いつか突然亡くなる」という意味ではありませんが、「普段は問題なく生活できる人でも、負荷がかかった時には注意が必要な場合がある」という意味ではあると思います。
そのため、実際の診療では、CRH負荷試験やACTH負荷試験、ITTなどを用いて、ホルモンの分泌能力を評価するようになっています。
そのうえで、患者自身も自分の病態を理解し、「どのような時に増量が必要なのか」「どのような負荷に注意するべきなのか」を学んでおくことも大切なのかもしれません。論文やガイドラインを読むことも、その判断材料の一つになると思います。